puffpuff0001 年金生活者のブログ 雨のち晴れときどき竜巻

年金生活その他についての考察あれこれ

今以上これ以上、、、(8)



雨の中を水たまりを避けて歩く。滑らない様に地面ばかり見て歩いていると思い出したくない、忘れたい事を思う。
近代化で日本人にとって一番良かった事を一つ挙げるとしたら、何だろう? 
環境、年代、性別、職業、学歴、、、等によって当然違いがあるだろうが、訊ねた人数分の千差万別の答えが返って来ると思う。
全てその人に限り、答えは正しいと思う。
私自身は一つ挙げるとしたら上下水道の普及だと思っている。
住んでいる家は築90年を越える、束石に柱が乗っているだけなので床下は、風が縦横に吹き抜けるが大雨が降って浸水すると、水と共にトイレの中も全部流れて更に低い所に流れて行っていた。
現代の家は基礎をコンクリートに鉄筋を入れて囲み、床下に水が入る事も出る事もない。
昔の家は全部床下はすうーすうーで、大水で何処の家のトイレからも流れ出るまま道や低地で乾いた。
勿論落とし紙から下駄や草履、軽いごみも、、、派手に広範囲に散らかったままだ。
井戸水等の事を考えれば不衛生この上ない。
戦後、雨靴なんて履いている児童は滅多にいない。雨が降れば裸足だ、体育の時間も裸足だ。
汚水で汚れた道や庭、畑、土手、、、を裸足で歩いて回虫の卵やその他の虫の卵に感染する。
誰も彼も衛生に構っていられないし、知識もない。結局誰も彼も回虫、ギョウ虫をお腹に飼っていた。
年に二回検便があった。小学生ともなると親に検便の世話は頼みにくい。自分でマッチ箱に入れて
学校に提出せざる負えない。当日は皆な神妙だ。泣きたい位、悲しい。


検査結果の発表日、クラス全員回虫検査が陽性なのに、先生は、一人一人名前を読み上げて『○○さん、回虫』と紙を渡される。
困惑、恥しくて穴があったら入りたい、隠したい、、、の気持ちで全員ぐにゃぐにゃしながら受け取りに行く。先生の教壇まで姿勢正しく歩けるものじゃあない。
終わったらクラスで4~5人はその上ギョウ虫もいて苦笑するしかない。
駆除の目的か? 啓蒙活動の為か? 理科室や保健室には必ず回虫、サナダ虫他の標本や絵があった。
誰も彼も自分のお腹の中におぞましい回虫を抱えて、困惑は言葉で表現出来る限界を超えていた。
駆除が恐怖を伴う至難の苦行で口に出すのもはばかれた。
この事を思い出すと『昔は良かった』と言う人に賛同出来ない。二度と、、、、。


川や井戸水は大水や浸水の時、汚染された?
上下水道の普及で安全な飲料水が飲める様なって良かった。その上、就寝時の蚊帳が不要になった。
どぶ、どぶ川(生活排水溝、魚、虫の住めない川)は年一回の大掃除の時、町内から各班に駆虫剤が配られて家ごとに散布していたが、蚊やブヨ等の方が駆虫剤の効力より生命力があった?
上下水道の普及のお陰でどぶ、どぶ川がきれいになって蚊やブヨが発生しなくなった。


水洗トイレになる前は他の方でも苦労があって、、、。
汲取り業者さんを相手に料金の交渉が出来る人は余り居ないと思う。
家族の人数ではなく業者さんの裁量に任されている。
毎月4~5人の家族を上回る料金(いろんな人に聞くと2倍近い)を取られていて、取って貰わないと自分では全く汲み取る事も処理も出来ない。
痛し痒し。当時30歳半ば、世間知らずだった。
『4~5人家族のお宅と比べて料金が高いのでは?』の様な事を業者さんに言って怒らせてしまった。
『よおくわかった!あんたのとこのウンコを戻そう』と大声で怒鳴られてバキュームカーからホースを汲取口に持って来て戻さんばかり。
咄嗟にこれから先、素通りされては大変な事になると思って、平身低頭、平あやまりに謝った。
以後毎月、水洗になるまで要求されるままに払う事になってしまった。