puffpuff0001 年金生活者のブログ 雨のち晴れときどき竜巻

年金生活その他についての考察あれこれ

出会った人々(20)



おそらくRちゃん達が結婚したばかりの頃だと思う、私はいつもの様に一人で映画を見に行った。
未だ映画は始まっていなくて,照明が少し落とされた中を通路を通って鑑賞するのに適当な席を見つけて座った。
こちらはすっかり映画に期待してワクワクして座っているのに、背後で気忙しく扇子をパタパタする人が居る。映画が始まったら静かになると思っていたら、どうも私を扇いで居るとしか思えないので、思い切って振り返ったら、Rちゃん夫婦だった。
映画館でこんな形で会った事にも驚いたが,私はRちゃんのご主人とは初対面だった。ご主人はRちゃんより随分年上に見えた。 
普通も普通、普通過ぎる人で、さらに驚いてしまった、すったもんだあって結婚したと聞いていたので、どんな人かと思っていたら、ただのおじさん?、、、。
私の驚き様がおかしいと二人が嬉しそうに笑い合っているのを見て、Rちゃんは幸せなんだと思った。
二人が背後に居ると思うと、映画に集中出来ず、席も変わる事が出来ず、何も憶えていない。
その場はRちゃんが幸せそうだったので良かったと思って、そのままRちゃんの事は忘れてしまった。


フランスのモラリストジュベールが『心が激している時には、人は誤って愛する。本当に愛するには
落ち着いて愛さなければならない。』と言ったらしい。
この言葉に結婚を結び付けるのは無理があると思うが、あえて独断と偏見で結び付けて言わせてもらうと、大体の結婚は唯の『勢い』の様な気がしてきた。
『考えて考えた末の結婚』と思っていても、結婚して現実の生活を始めると、先ず相手の事を何も知らない、何を考えている人かもわからないなんて事はあり?
一体、自分は何を考えて考えた末なのか? 何だったの?
結婚は、落ち着いて考えれば考える程、誓いの言葉通りの結婚生活が送れる?本当に?


周りの人達はRちゃんが好きだったので、是非とも幸せになってと願っていた。
私はRちゃんに映画館で会った時は、幸せそうだったので、安心していた。
皆、忘れていた。二人の生活は、失職して無収入から始まった事だ。

















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