puffpuff0001 年金生活者のブログ 雨のち晴れときどき竜巻

年金生活その他についての考察あれこれ

出会った人々(!0)



昭和55年=1980年~
使い走りの仕事をしていた時の話だ、働き始めて月末が楽しみだった。公共料金を自分で働いたお金で払う、自分が働いて得たお金を、ありがたく嬉しいと思う瞬間でもあった。
未だ、働き始めて収入は二の次だった。外に出るのは、解放された実感があった。
働いている時間は自分自身の事は一切思う事はなかったし、お金のない事も忘れられた。
10年余りに抱え込んだ,鬱をはじめ負の感情がまるでキャベツの様な塊になっていて、働く事で一枚
一枚剥がれて身が軽くなっていく様だった。
仕事柄、身だしなみにほどほど気をつけなければならなかったかと,今になって思うが後の祭り。
陸の孤島に居った時と同じ『着の身、着のまま』で、生活の立て直しが最優先で、とても身嗜みをどころではなかった。


ある会合に、たまに出席するようになった。会合で会っているうち、年齢が近い事がわかって言葉をかける代わりに頭を下げていたが、M夫人の方から声をかけられた。
その頃、もう少し収入のある自分に出来る仕事がないかと思案していたので、話しかけられても、私は乗り気でなかった。
私は何か思い付くと一途に熱中する、始めるのは早い,飽きるも早い、その間、他の事は全く眼中にない。そして、とんでもない、又は取り返しのつかない失敗をする、懲りない性分なのだ。
その時がそうだった。もう一つの仕事を探していた。
M夫人が、いきなり『あなたは、お金を貯めているんでしょうね?』
初めての会話は単刀直入ではじまった。面倒な話はしたくない気持ちだったので『はい』と答えた。
『否』と言ったら長くなると思ったので。
見るからに彼女はお金持ちで、フアッションか、旅行か、グルメの話位だろうと、勝手に思い込んで、彼女の話を、心此処にあらずで上の空で聞いていた。


M夫人の話は今で言うと『お金をふやす方法』だった。要するに私とお金を増やす方法について情報交換したい話らしい。途中で気がついたが、M夫人は勘違いしている。ひょっとして,、、トルストイ
民話に出て来る人物と私を重ねたのかな? でも訂正はしなかった。面倒だ。 
私は収入を求めて仕事を探している正真正銘の貧乏で『着の身着のまま』だ。お金があったら感違いされる様な格好も行動もしてないと思う。    


M夫人は、小さい時貧乏でお金に苦労された、だからお金は使いたければ、いくらでも使って良いと
お舅さん、お姑さんに言われてお嫁に来たそうだ。主人は家業(質屋)を継がれず、会社員だった。
結婚と同時(?聞いた様な)に家業を任されて、M夫人は、商売の売り上げのもうけた分を投資、主に
『株』につぎ込んでいたらしい。
毎日午前中、新聞で銘柄株価を見て研究する。『株』が稼いでくれる、毎朝新聞を見るのが嬉しいとも言っていた。気に入ったら買う。毎日株が増えて楽しくて,楽しくて、、、と話される。『株』と言う言葉は聞いた事があったが、意味は知らないし、経済新聞が発行されている事も知らなかった。
M夫人から聞いた事を調べる事すらしなかった。


二週間前、車に乗せてもらう便があって、30数年ぶりに質屋さんのあった場所を車がたまたま通った。30数年前と変わらずひっそりと質屋さんがあって母屋もそのままだった。そして周り一帯がMビル、M駐車場になっていた。


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