puffpuff0001 年金生活者のブログ 雨のち晴れときどき竜巻

年金生活その他についての考察あれこれ

出会った人々(6)



借家は、自分の財布の中身と相談して決めるので多少自分の希望が入れられる。公営住宅は,目的があって提供されるので,個人的な希望は皆無に等しい。その代わり当時、一般家庭では五右衛門風呂を薪で沸かし、トイレは汲取だったのが、公営住宅は、キッチン兼リビング、バスルーム、ガス,上下水道完備。
住むのに快適だった。これで文句を言ったら罰が当たる。
だから私の知る限り,住んでいる人達が住宅の事で文句を言った人はいません。陸の孤島で私を含めて機動力を持たない人達(?)は、たっぷりある時間を持て余していたのも事実で、口の周りの筋肉運動を兼ねた共通の趣味に時間の三分の一は費やしたと思う。
貧乏な話は、飽き飽きしていたので、特にLOVE & UNHAPPYな話が、、、。その会議には可能な限り
出席した。

『壁に耳あり、障子に目あり』,向かい合わせの棟に単身者がそれぞれ住んでいた。
男性よりひとまわり女性の方が年上に見えた。男性は私の後に入居したと思う。足繁く、男性は住民が寝静まった時間に女性の家を訪ねて、夜明ける前に帰宅をされるそうな、そんな時間に誰が起きてるのかと思う。目撃者はR夫人だ。
棟と棟の間の道は、舗装するのを倹約したのかバラスが敷き詰めてある。人里離れて空気が澄んだいるので、夜バラスを踏んだら大きな音がする。R夫人は、住宅で一番若くて耳が良い。
女性は見かけないが、男性は人が立ち話をしていたら気安く話に加わるので、噂の張本人が来ると思わず後ずさりしてしまう。うっかり彼の家の庭の前を通ったりすると、裸に近い格好で水を撒いていたりする。笑顔で挨拶されて、こちらの方が、こそこそ逃げてしまう。
とうとう、皆、彼と彼女の話をしなくなって、誰も彼の家の方にも行かなくなった。


R夫人は高等学校を卒業してすぐ結婚をされたと聞く。私が入居した時は既に二児の母親だった。とにかく美人で可愛く、群を抜いて若かった。初めて会った時、今時,こんなに若いお母さんは珍しいと思った。ご主人は今で言う『イケメン』だ。このカップルは、いつ見ても絵になる。
『馬には乗ってみよ、人には添うて見よ』見かけだけではわからない。このご主人は奥様に言わせると経済には、相当うるさいらしい。冷蔵庫をチェック、残り物、捨てた物をチェック、買い物チェックだそうな。
考えようによっては、奥様が若いので、教育をされているのかな?
ご主人は夜が遅い、時に午前様になる。単車を乗って居られたが、バラスの上では運転出来ないので、押してご帰還なさる。お酒を召されているので、当然賑やかなご帰還だ。狭い町だ、情報は既に住宅にまで届いて、皆知っている。彼女だけ知らない。彼女が知った時を思うと皆気が気ではない。、
『イケメン』のご主人はBARかSNACKのマダムのお気に入りで,一緒に旅行にお出かけになった日は、人影がなかった。
休日でもあったし、皆家に引きこもっていた。情報の出どころはどこだろう? 時間の問題だった。
しばらくしてR夫人の知る所となった。何の前触れもなかった。いつもの様に、魚売りのおばあさんが来てひとしきり皆魚を買って散らばり始めて、彼女は突然号泣して、、、、いつかこんな日があると思っていたが。『亀の甲より、年の功』黙って呆然としているより、年配の夫人達の動きの速い事!
背中をさすりながら彼女の気のすむまで泣かせた後、ご主人の事を口々にぼろくそに(?)こきおろして、そこまで言うの? 状態だった。そしてお茶でも飲もうと彼女を連れて行かれた。
彼女がしっかり回復するまで年配の夫人達は気配りを,惜しまなかった様だ。年配の人は素晴らしい。
若い人達は、彼女が保護者会に行くのに頭の先から足の先まで持ち合って飾り立てた。
彼女は見た目,元気になった、ご主人は相変わらずの生活だった。夫婦喧嘩は犬も食わない?。