puffpuff0001 年金生活者のブログ 雨のち晴れときどき竜巻

年金生活その他についての考察あれこれ

出会った人々(4)



『馬には乗ってみよ、人には添うてみよ』
Y夫人は60歳過ぎたばかりだったと思う。会うといつも思う、この年代の人は素顔がきれい。健康な肌をしている。聞いた事がある、『どうしてそんなに肌がきれいで、しみがないのですか?』。
『若い時から、お化粧をしなかった、戦争もあったし,化粧品どころでなかった。ただ水で洗うだけ。
父が生きていた頃は、うぐいすを飼っていて、うぐいすの糞で顔を洗っていた。お化粧する様になったのは50歳過ぎてから』。
Y夫人は大正生まれにしては、考え方が進んでいると言うか、合理的と言うか、話し方も歯に衣を着せないところがあった。私が彼女に会った頃は『文芸春秋』を毎月購読していた。歳は離れていたが、話をしていて楽しい相手だった。(年下なのにご無礼を、、、)。正直な彼女に好感が持てた。


久しぶりに会うと思案顔、何か浮かない感じ。お嬢さんが結婚される事になったらしくお目出度い話
なのに、如何なさいました?。上の三人の息子さんの時は、親として特別に気を使う事がなくて招待客同様に済んだらしい。お嬢さんの場合は、そうはいかない。婚家先次第だ。
ご主人を亡くされてY夫人が、気張って万事なされるが,初めての結婚の様にわからない事が多い様だ。
準備、支度がすすんで結婚式直前になって、お相手のお姑さんの意向で家の格、家風、、、が次々伝えられて,時間、手間を思って困惑してみえた。 
今の時代に大仰な事だと思ったが、地域によってそんな事もありかと、Y 夫人がこの結婚を喜んでいたので終わり良ければ全て良しと思った。


Y夫人には諦観したところもあって、表情が乏しかった。嬉しいのか、悲しいのかわからなかった。
何か踏み込んではいけないミステリーな雰囲気があった。
美人なだけに残念だし、惜しいなあ~と思っていた。自分自身の事を口に出して話された記憶がない。
私がずっと年下だから当然だ。珍しく機嫌が悪いので、如何なさいました?と思っていたら
Y夫人には、お嬢さんにと言うか、これから結婚を考える女性にと言うか、願いがあった。
願いとは、『結婚したら3年は子供を産まない事、3年一緒に生活すれば、お互いの価値観、人生観、性格、、,、猫を被っていても3年あれば本性がわかる。
3年一緒に暮らして、この人となら一生付いて行けると思ったら、子どもを産んだら良い』だった。
この事はお嬢さんに伝わっていたらしいが、Y夫人の願いむなしく、ハネムーンベビーだったそうで、
機嫌が悪かった。
この話をY夫人から聞いた時、唖然としたが、さすがY夫人と納得した。 
(お嬢さんに赤ちゃんが誕生してY夫人は、表情豊かになった。)


山陰地方では戦後も実際に『足いれ婚』はあったらしい。その地方の名家のS奥様は『足入れ婚』だったと噂で聞いた。確かめようがなくて、はっきりしない。
国立大出身のインテリの女性が、地方の風習かどうか知らないが、よく受け入れたと思った。
聞いた時は同性として憤懣やるかたない思いだったが、今、思うと確かに一理ある。う~ん、、、
この『足入れ婚』、もしかして良いかも?
『馬には乗ってみよ、人には添うてみよ』 
馬のよしあしは、見てるだけではわからない、乗って確かめないと。
人の人柄はみかけではわからない、実際つき合って確かめないと。これが一番難しい。
何事も外見だけではわからない。


たまたま昨日(土曜日の午後)テレビ『新婚さん、いっらしゃい!』を見ていたら、女性弁護士が
ゲストで出ていた。結婚するとき『婚前契約書 プレナップ』を交わしたと。
私は『婚前契約書 プレナップ』の存在を知らなかった。こんなのが、あったら良いなと思った事はある。
結婚前に夫婦の約束事を決めておく書類で、海外ではセレブの間でプレナップが交わされるだけでなく、一般でもプレナップを結ぶ場合も多くあるそうな。
いずれ日本も結婚事情が進化するといいなあ~、その為にも自活だ。選択肢は多い程よい。
女性が一人の人格者として自分で選んだ人生を送れる日がきてほしい。
女性の働き易い環境が、一日も早く整います様に。