お金の話（21）
昭和４6年＝1971年～ 早春、とうとう白黒テレビが壊れてしまった。
当時100,000円を超えていたが、3月半ばソニーのカラーテレビを買った。3000円の月賦だった。
家賃とカラーテレビの月賦が同じで、これからの負担を随分考えたが、今更、白黒テレビでもあるまいと決断した。
予想だにしてなかったがカラーテレビを買った事が、彼女を爆発させてしまった。もともと彼女が私の事を快く思って居なかった事と重なってしまったそうな、、、、。
私は入浴後、手洗で洗濯をする。一日の終わりに、洗濯板を使ってゴシゴシ洗うのが好きだった。
そしてベランダに干して寝る。 聞く処によるとこの夜干しが毎日、毎日彼女の癇にさわって居たみたい。
彼女は彼女で、コミニュテイ一で朝1番に洗濯を干すのにこだわって居たそうな。私が移って来て、、
、、。ひょっとして彼女がカラーテレビを買ってから買うべきだったと？ 何たる事！ もう少し早く彼女のこだわって居る事など、知っておくべきだった。私の耳にはいるには、遅過ぎた。
私は昭和45年＝1970年、この極小のコミニュテイーに移って来た最初の夏、実家に帰った時、母が
とても怒っていた。
理由は『父が年をとって身体が弱っているのに、一度に三本も抜歯をして、入院しなければならなくなった。父自身が身体の具合が悪いと思っているのに、抜歯を頼み治療する医者も、父の年を考えてくれなかった、どちらも悪い』。
結果、父は大学病院に入院していた。父に私は、深く考えず『自動車の免許取ろうかな？』と言った。
父が喜んで『すぐ自動車学校の手続きをしなさい。今からは自動車を運転出来た方が良いから』。
で、私は自分から言っといて、父がおおいに乗り気になった事にびっくりして、気持ちが追い付かなかった。
自動車学校の初日から毎日、朝暗い内に目が覚めて、仕方ないのでテキスト、問題集を見る。一時限目の学科は、全くわからない。ボルト、ナットの違いもわからない、プレッシャーの余り毎回爆睡。
先生から『あなたは先ず実技に合格して、ゆっくり学科を取りなさい』と言われてしまった。
両親のお金で受験するのに『ゆっくりは、ない！』、絶対に一回で合格しないといけないのだ。
朝に夕にテキスト丸暗記、わからない事の丸暗記は本当にきつ～い。運が良かった。ついて居た。
当時、父は日産の中古のブルーバードに乗っていたが、このブルーバードを私が乗る事になった。
早速運転してコミニュテイーに帰って来た。私は体重が42Kgで腕の力がなく、ミッションなので、重たくて、ハンドルを回すのに身体を浮かせねばならなかった。この様子を見たのと、私がタイヤのパンクもチェーンの事もわからないのを思い出して父は、私を見送った時から、ブルーバードを私に
運転させた事をひどく後悔したそうだ。そして事故の事を思って眠れなくなった、、、。
父は私が運転出来る自動車が見つかったからと富士重工のスバル『レオーネ』の新車を買ってくれた。突然で驚いたが、ブルーバードは数回エンストを起こしてその都度、父が処置をしていたそうな。
父の運転歴、機械歴は戦前からだから、ありがたく『レオーネ』を貰った。
（『レオーネ』について、カタログか見積もりかはっきり覚えていないが、77と言う数字に記憶がある
ひょっとして￥770,000前後だったのか？ 当時の自動車の値段はわからない、今となって確かめ様がない。）
自動車免許を取って喜こぶのはつかの間、極小のコミニュテイーに帰って来てから、ストレス性過敏性大腸症？（正確な名前は忘れた）に半年間あまり、悩まされる事になった。
医者が処方した薬は効かず、薬局で買った黄色の整腸剤『キノホルム』がとても良く効いた。
昭和45年＝1970年9月8日にキノホルムの我が国における販売中止、製造中止を決定した年の数ヶ月間
服用したのだ。ニュースで知って、ぎやあ～、そして、ぞお～っ信じたくなかった。
多量の服用でなかったと信じたい。
薬害スモン（SMON)とは1960年代特に後半、整腸剤キノホルムを服用する事によって神経障街患者が発生した事件を言う。
昭和39年＝1964年東京オリンピックの準備と特需と開催。
ー＞ 昭和40年＝1965年日本全体求人難、消費者物価の上昇、産業公害、社会資本の立ち遅れ、都市圏の住宅問題、交通問題などの経済成長の マイナスの面が問題化してきた。
ソニーカラーテレビ 118,000円～ 週間朝日70円 新聞購読料750円 ビール140円
オートバイ、ホンダドリーム385,000円 パンテイーストッキング500円
