puffpuff0001 年金生活者のブログ 雨のち晴れときどき竜巻

年金生活その他についての考察あれこれ

テレビ小説『花子とアン』(14)

私は舎監先生が苦手でいつも死角に居るようにしていたのに、一体何があったんだろう?
とりあえず帰って来た挨拶をすませ、かしこまって頭を垂れて舎監先生の話を聞いていると、どう  もいつもと様子が違う。
舎監先生はとても聞き捨てにならぬ事をおしゃってる様な、冗談にしてはひど過ぎると思って顔を
上げると舎監先生独特のオーラとただならぬ覚悟が感じられて、全く言葉が出ない。
部屋に帰って舎監先生の言葉を反芻すると、4月から中学棟に移って『室長』をする事、今迄大学  生ばかり『室長』だったが、高校生のあなたにも『室長』を頼む、これは大抜擢である事、、、。
こんな恐ろしい話を絶対受ける事は出来ない、絶対絶命! 大ピンチ!


60年経ってもう時効だろうから、担任の先生に迷惑はかかるまい。
春休みだったが翌朝登校して一番信頼していた担任の先生を呼び出して、直訴。
担任も新学期直前だったので驚いた様だったが、黙って最後迄私の話を聞いて下さって『話はわかった、で何処の大学にいくつもり?』   
予想してなかった展開に一寸ひいたが、咄嗟に伯父が言っていた『某大学です』と大ほらふいた。
出来るだけやってみるが当てにしない様にとおしゃったが、始業式に間に合って下宿が決まる。 舎監先生にどんな話をしたか覚えていない。 最後にやはり何処の大学を受験するのか聞かれたので『某大学を受けたいと思います』とまた大ほら吹く、すると『ほう~っ!?』と一言。
長い長い沈黙があった。その間大ほらを吹いた自分が恥ずかしくて、穴があったら入りたかった。
『あなたの希望が叶える様にお祈りしましょう。』おしゃって下さって放免になった。


  
話は変わるが、この学校は私の性格にあったと思う。
最初この学校に来た時、選んで集めたのかと思う位、可愛い人や綺麗な人が多いかった、しかも
色白で優しく、立ち居振る舞いを眺めているだけで楽しかった。
彼女達は子供の名残を残したまま中学部に入学して3年間同じ環境で過ごしたからか、警戒心がなく、競争心もなかった。 だから自分の殻に閉じこもる事もないし他人に対しても、垣根を作らない。 特別なグループを作って行動してる風も無かった。その日の都合、雰囲気、いきがかり等で引っ付 いたり離れたり、とにかく全体に仲がよかった。
私は自分から進んで話をする事は無いが、無視された経験は無いし、目が合えばそれなりの対応が
あった。
強いて気を使う必要がないので 短い休み時間、お弁当の後の休み時間は心底リラックス出来た。
  

  
朝ドラ『花子とアン』を見ながら全く忘れていた高校時代の寄宿舎、下宿、そして学校生活を思い  出す。いろんな事があったし、経験もした。何とか大ほら吹き、嘘付きにもならずにすんだ。
今の私があるのも学院、担任の先生、舎監の先生、先輩、同級生、女の子を育てた経験が無い    ので嬉しいと急遽下宿を引き受けてかわいがって下さったご夫婦、私の家族、伯父などのお陰だと  感謝する機会になった。
余りに遅過ぎた感謝だが、これも又ドラマのお陰で間に合って(?)良かった。