puffpuff0001 年金生活者のブログ 雨のち晴れときどき竜巻

年金生活その他についての考察あれこれ

テレビ小説『花子とアン』(11)


電話をかける前は舎監の先生の事はしっかり頭に入れて用心していたつもりが、母の声を聞いた
とたん、もう何かも忘れて本音を方言まるだしで喋ってしまった。
その上、私の家では父母を『お父ちゃん、、、お母ちゃん、、、』と呼んでいたので、普段が
出てしまった。
市外電話だし、気が急くので早口で言いたい放題で電話を切ったら、いきなりドアが開いて
その瞬間、私は全てを察した。
舎監の先生が出て来られて、『お話がありますから、お部屋にいらしゃい。』
 


父は小学校にあがる前に、母は赤坊の時に、それぞれ母親が亡くなっているので、私は、老婦人   とかお婆ちゃんに縁がなかった。
舎監の先生のオーラにすくんでしまって、部屋に入っても挨拶すら出来なかった。
最初『あなたは、ご両親様の事を何と呼んでいらしゃるのですか?』から始まった。
答えようがない、じい~としていると、丁寧な話し方で繰り返し諭される。
お爺ちゃん達と比べて ながあ~い。
私も『これから気をつけます』『これから改めます』を繰り返して、最後に『ありがとうございました』と御礼を言って下がった。

とにかく言葉使いは徹底的に指導を受けた。
が、部屋を出て解放された嬉しさで、ほとんど忘れてしまった。
記憶に残ったのが父母の事を、『お父様』『お母様』と呼ぶ事と、舎監の先生曰く『私は舎監ではあるが、あなたの母であり、あなたの姉であるつもりなので、困った事があれば何なりと相談するように』とありがたいお言葉だった。 以後、二度と電話をすることはなかった。