主よ御許に近かずかん(7)
葬儀は教会の第2チャペルで行われた。
普通、教会のチャペルと言えばカソリック教会のチャペルを想像する。映画のシーンの中で見るの
もステンドグラス、聖像、マリアと幼子イエス、キリストの絵画だったり燭台があったりする。
第1チャペルは映画で言えば、アメリカの開拓時代のチャペルに似て、極シンプルだ。
第2チャペルは普段の礼拝の他にクリスマス、復活祭等の行事や結婚式、葬儀にも対応出来る様にか
内装には重厚な木材がふんだんに使われていて天井は高く照明、椅子も豪華な作りで、良い雰囲気を
醸し出していた。
葬儀は、牧師様のお祈りで厳かにしめやかに始まった。 牧師様の説教やお祈りをはさんで『ア、カペラ』形式でなくオルガン奏者の伴奏で、讃美歌を全員で歌う。
チャペルの雰囲気、オルガン奏者の伴奏、牧師様の『ア、カペラ』形式の朗々とした讃美歌、条件 は揃っていた。
だんだんその気に(?)なってきて、牧師様と一緒に一生懸命、讃美歌を歌う。
そして参列者が順に献花をする。
厳かに明るく、しめやかに明るくを繰り返し、気がついたら最後のお祈りだった。
葬儀は終わった。参列者は(?、、、、)の状態にみえた。
参列者は私を含めてキリスト教の葬儀は、初めての経験だった。
私はミッション、スクールを卒業しているので、他の者は私が詳しいと思っていたらしいが学校の 宗教行事に葬儀はない。
献花を一番最初にする、はて、どうするんだっけ? 焦ったが、献花の瞬間ぎりぎり思い出す。
神式の玉串の捧げ方と同じにすれば良かろうと、 根元を祭壇に向くよう花を右回りに半回転し置く。あやうくセーフ!
無責任に言って良いとは思えないが(?、、、、)の状態は、おそらくキリスト教と仏教の違いに あるのだろう。
私が以前、出席した葬儀では出棺の前に、亡くなった人と残された愛する人、家族の最後の別れを
葬儀司会者が両者に成り替わって切々と別れの心情を吐露するので、涙、涙、号泣、、、、で送りだ す形式だった。
亡くなった人の数と同じ数ほどの最後の別れ方、儀式がある事、それぞれ違って居ても良いのだと つくずく思う。
私的には、故人が希望したキリスト教の葬儀で行ってよかったと思う。