テレビ小説『花子とアン』(6)
新学期が始まる前日になって三々五々、寄宿生が帰って来た。
寄宿舎は高校生の棟を真ん中に大学生の棟と中学生の棟があってそれぞれ渡り廊下で繋がっていた。
想像をはるかに超えて人数が多かった。
お部屋での初対面は恥ずかしいやら困惑するような、穴があったら入りたい様な気持ちだった。
夕方、早速全員揃って掃除をして、夕食の時間になった。
食事は中学生と一緒だ。
お部屋のお姉様に中学生の棟に連れられて行くと、食堂では舎監の○○先生と副舎監△△先生のテーブルを中心にテーブルが並んでいた。
1か,2週間毎(期間は忘れた)に順番に舎監、副舎監の先生方のテーブルで 一緒に食事をするそうだ。
夕食がすんで、やれやれと思ったら午後7時から夕拝? まだあるの?
また、お姉様に連れられて食堂に集まって、当番の指示に従ってお祈り、賛美歌を歌ったら、聖書の
輪読、そして舎監○○先生のお話がある。
夕拝がすんで部屋にもどって明日の準備でもするかと何気なく隣の同級生の机の上を見て、また??
中学時代辞書、辞典、参考書など世話になった事がなかった。教科書と旺文社の雑誌の付録ですませていた。
明日から授業が始まるのに、辞書等の用意を全く思いつかなかった。ああ、何たる事!、、、。
後、1週間は外出出来ない、その間どうしよう、緊張しているのか、ふざけているのか、もう何も考えたくなかった。誰のせいでもなかった。
明日から毎日午前5時に部屋の前に整列して今月の賛美歌と聖書の中のフレーズを暗誦をしなければならないのに、準備どころではなかった。実際は5時前に起床して5時までに身支度をすますことだったし。
その後掃除があるのだ。
気がついたら、同室の人は消灯時間10時なので布団を敷いて寝る前のお祈りを一緒にしようと待ってくれてるのだ。初日から迷惑かけてしまう。