puffpuff0001 年金生活者のブログ 雨のち晴れときどき竜巻

年金生活その他についての考察あれこれ

涙(5)

徒歩圏内に公立図書館があった。  戦前出版された古い少年少女向けの本が、結構あったので常時借りていて、退屈する事はなかった。
年に数回、 自分の気持ちを持て余して、どう仕様もなくなると、(今で言えば子どもなりに、ストレスが溜まった状態)、 泣く為に公立図書館に走って行く。
毎回、 飽きもせず『安寿と厨子王』『ああ、無情』『アンクル、トム、キャビン』のいずれか一冊を借りて来た。

読み始めると、涙がポタツ、ポタツ、、、、物語の佳境に入ると主人公の心情と身の上に自分を重ね合わせて涙がバアー,バアー、、、、。
更に涙を流している自分に感極まって、 ラストは大泣き(涙でビチョ、ビチョ、、、、)。
涙を流す事は、私にとって浄化作用が働いた様だ。
読み終わったら、気持ちがスッキリ。
この三冊の物語は、いずれもよく効いた。

涙なしでは、読めない本は他にも沢山ある、どれでも良いわけではない。
悲しみ、酷さ、同感、感動、、、、そして絶対欠けてはいけないのは『ロマン』がある事。
私の場合『ロマン』がないと、ストレス解消どころか、タイプの違うストレスを抱えることになる。
内容があまりにも『リアル』だと、悲しくてしばらくの間私の心の中を占めるのがある。

『小島の春』を読んだ時は、特にそうだった。 小学生の私には重すぎた。 
ハンセン病について全く知識はなかった。 こんなに悲情で理不尽な話が実際にあるとは、身に
つまされて、正直悲しすぎて暫くおとなしくしていた様に思う。

しかし、この本を読んだ事で、私の知らない世界を垣間(かいま)見た気がした。
その後、私の空想癖はあいかわらず続いていた。
が、読書の傾向は 創作物語に加えて実話物語までひろがった。