年金生活（36 )

早い早い、後半月で新年だ。

気が付いた事を次から次へと手をつけるものだから只忙しい、でも今秋から耳鼻科クリニック

への通院を始めた事は本当に良かった。

症状が良かったり悪かったりしながらもいくつもの症状が少なくなって軽快しているのが実感出来る。

慢性化していたのでクリニックへ行くのを躊躇っていた。

最近の医療が進化していると思うのでいつかきっと蓄膿症も治ると信じて通院を続けるつもり。

クリニックで吸入していると目の前に月替わりの額がある。

11月中、特徴ある字と絵で表現されている『ひろはまかずとし』氏の作品を看護士さんに断って

写真を撮らせて貰った。このシリーズは患者さんに評判が良いらしい。

　

　　　100%『確か』な

　　　たった今を

　　　楽しまずに

　　　なぜ人は

　　　不確かな明日を心配したり

　　　未来に何かを求めるのだろう

言葉の少ない短い文章で、人を納得させるなんて素晴らしいと思う。

80年余り生きているといろんな事があった、幾つかの出会いもあった、思い煩う日々

も沢山あった。

いつも目の前の事だけで精一杯だった。

人生が残り少なくなり体力も弱ってようやく回りを見回せる様になった。

遅すぎたが、『ひろはまかずとし』氏の作品に出会った時、今の私の心境を正にドンピシャ

表現されていて感動した。

夏から始めた仕事（とは、とても言えないが）も楽しみに本当にポツン、ポツンやっている。

ポツン、ポツンでなくボチ、ボチ仕事があったら良いがと思うが年齢を考えると欲は言うまい。

もう仕事はないのかと諦めていたが、昨日仕事があった。

仕事が終わって気が緩んでいた、いつもは猫がいるかどうか確認してから戸を開けるのだが

無意識に家の戸を開けた途端猫の玄ちゃんが飛び出して捕まえ損なった。

脱走する玄ちゃんを見送っていると悲しくなった。

家の中から弟猫のクロちゃんが『自分も脱走したいのか、早く帰って来い』と言うつもりか

盛んに鳴いていた。

今度こそ玄ちゃんが帰って来ない気がして、自分の迂闊さと後悔でどうしたら良いかわからなくて

家を出たり入ったりしていた。

今年最初の寒波で遠くに行かずに家の入り口付近迄度々来て、うずくまっている。

戸を開け放してわざと茶碗の音やクロちゃんにご飯をやる振りをすると家に入って来た。

やれやれ冷え込んでいて運がよかった。猫が脱走するには不向きな天候だった様だ。