お魚食わえた、、、

弟分のクロちゃんが6ヶ月過ぎた頃から，玄ちゃんとクロちゃんの違いがはっきりしてきた。

二匹とも野良猫の母親から生まれた。玄ちゃんはボランティアの人達が里親を捜していたらしいが里親が見つからないうちに大きくなって動物愛護センターで殺処分を待っていた。

ボランティアの人達は性格が良いので里親が決まってほしいと変わるがわる言ってらした時、希望者三人のじゃんけんに私が負けて，玄ちゃんが我が家にやって来た。おっとりしたおとなしい猫だった。

猫を飼った経験はなかったが犬と違う可愛さがあって、遊んでやる事が出来ないし淋しかろうと玄ちゃんと相性のある猫が居ればと又犬猫の譲渡会に出かけて、クロちゃんが我が家にやって来た。

老夫婦のところに野良猫がやって来て5匹の子猫を生んだらしい，その中の一匹がクロちゃんだった。

他の猫達もクロちゃんの姉妹も里親が決まって，会場にはクロちゃんだけ残っていた。

元気でやんちゃと聞いていたが，老夫婦に可愛がられたのだろう，2～3日で玄ちゃんに馴れて甘えて玄ちゃんの後を追って玄ちゃんの真似をしきりにしていた。

クロちゃんが、はじめて我が家に来て猫のカリカリを食べる時『うまいうまい』と言って食べた。

びっくりしたが、もう一度聞きたいが以後食べる時は何も言わない。

でも歩きながらおしゃべりをする、いろんな場面で，時間で違う鳴き方をするし、人が話しかけるとびっくり目で三つ指ついて大真面目に聞くから、わかっているのかと勘違いしそうになる。

時計がわかるのか餌の時間になったら『ごはん』時には『ごは～ん』と言う。

玄ちゃんも気が向いたら、一緒に『にやあ～』と言う様になった。

最近クロちゃんが、玄ちゃんの体格をこえて大きくなった。顔の大きさは変わりないが、胴の長さ、手足の長さ、尻尾の長さ、とても9ヶ月の猫と思えない。これからもう少し大きくなるだろう。

クロちゃんは玄ちゃんに甘えよう、遊ぼうとするが、嫌がって玄ちゃんが離れて行く。

玄ちゃんは日本猫系、尻尾が短く先が、くの字に曲がっている。体格小さめ、運動能力、猫として普通。

クロちゃんは外国猫系？毛並みがビロードの様で手足が長いので背が高い？　瞬発力、跳躍、登る、走るに優れている。体格大きめ。

猫達と一緒の生活は楽しいし、何とも可愛いらしい。

いずれ私は二匹の猫達を人に託す事になる、だから猫達には元気で丈夫に育ってほしいと切に願っている。でないと里親になって貰えない。

餌のカリカリの量を守ろうとするし、砂糖、塩分、人間用に味つけた食べ物を食べさせない様にしているのだが、これが難しいのなんの、、、。　

食卓のある部屋と台所との間のガラス戸の鍵をかけて、食事の支度をする。冷蔵庫は食卓がある部屋にあるので部屋側、台所側に鍵をつけて入る、出るその都度、鍵をかけるが、、、。

一日中ガラス戸を開けたり閉めたり食卓と台所を往復すると掛け忘れる事が何度かある、ガラス戸を開けるのは玄ちゃんの役目だ。餌の袋を引っ張り出して食べ放題、がっかり、、、。

その上、私がガラス戸を開けた瞬間、二匹の猫はまっしぐらに調理台に飛び上がる、私の身体は部屋に残っているのに足の間をすり抜けるのだ。

二匹は別々行動だ、同じ物を狙わない。だから狙った食べ物の得る確率は100%に近い。

いつも、この手でやられる。口に頬張って駆け抜けて好きな所で食べる。『親の心子知らず』とはこの事だ。鍵をかけ忘れる私が悪い、はあ～。

玄ちゃんは、カリカリ以外の食べ物に慎重だった、クロちゃんが食べるの見て食べる様な猫だった。

クロちゃんは、最初から狩りの素質があったし、雑食だった。

この頃、玄ちゃんの狩りの成長が著しいと思って居た。

生きの良い中鯵が売っていたので、久しぶりに鯵の塩焼をした。まだ熱かった。

気配を感じて振り返ったら、ちょうど玄ちゃんが鯵を食わえて、調理台から飛び降りていた。

焼く直前に塩を振ったのでかなり塩気があると思って、あわてて追いかけて半分取り上げた。

漫画のサザエさんとそっくり、唄『お魚食わえたどら猫、追っかけて～』、しゃれにもならない。